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잡담 하하제) 소야 웹일기 텍스트...
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2023.09.02 22:09
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「堕天」 

天地万象。理の外で起こることを、人は「天祐」や 「天罰」、「運命」と呼ぶ。 

"天" 度重なる不幸も、怒りの行き場も失う境遇も、「天命です。」と言われれば誰しも沈黙をもって容認する。

そして奇しくも同じ刻、何処かで誰かが、思いが けない幸運と、人生を変える奇跡に恵まれる。妬 みに一言、「天命ですから。」と。

幸運、不運の天秤は不安定に揺れ続けている。 聖母が此方に微笑んでるとき、悪魔もまた、別の 場所を見て悦に浸る。

一点の強い光を見つめているとき、影は必ず見えない所に存在するのだ。 

人類が暦を数えて二千五百年、神は人間に羽を授けた。 

始めは少しずつ。年齢は関係なく、世界中で少な くとも百の個体が確認された。当然、突然の進化に人類は追い付けず、数多の悲惨な事件も起きた。

その先二年をかけ、羽を持つ人は着々と増える。 遺伝も、人種も関係なく、ある時突然に背中から 美しい羽が生えた。

世界中の学者や大学が身を粉にして研究に励んだが原因は分からない。 まさに、神の悪戯としかいいようがなかった。 

やがて、羽を持つ人は「天人」と呼ばれ、研究機関に自身の血液や、羽の一部を定期的に提供するこ とによって、裕福な生涯を約束された。 

無論、人類は皆、羽を欲しがった。 

僕も例外じゃない。 僕は、何もない男だった。才に恵まれず、ひたすらに努力して、いつだって平均にピタリとくっつくような暮らし。

努力をする根気強さを持ったのは不幸中の幸いだが、常に誰かの背中を追いかける人生。運命を恨み、睨みつけている。 

しかし、あれだけ恨んだ運命にただ縋っている。 羽をください。絵に描いたような掌返し。 自分の安さにうんざりする。 

僕には彼女がいた。僕と同じような境遇の彼女。 たった一つ、僕らが一番でいれる場所は二人で暮らす家だった。

五百年程前から栄え始めた都市開発の甲斐あって、郊外の立派な一軒家は余りまくっていた。

当時は高級住宅街と呼ばれた街も、今じゃ住み手 がいないので、タダ同然で購入できた。 

彼女と僕は、いつも話をした。お互いに空いた溝 を埋めるように。心を塞ぐ塀を崩すように。 あの夜のことは、今でもふと思い出す。 

その頃には三万人程に増えた天人が一人、満月 の空を飛び回っていた。 

「天人はいいね。お洒落には向かなそうだけど。」 僕は言った。口癖であった。 

〈天人になったらどうしたい?〉 

彼女に聞かれた。考えた事もなかったな。どうす るだろう。パッとは出てこない。 

「わからないけど、誰かのために使うべきだよ。」 彼女は笑った。 

〈友達の友達が選ばれたんだって。売れない漫画 家だったらしいんだけど、徹夜明けでウトウトして たら羽が生えたんだってさ。ネーム破り捨てて、 窓から飛び降りたらしいよ。〉 

「自分を題材に描けばミリオンヒットなのにな。」 

〈どんな気分なんだろうね。いつも見下されてた 彼女が、空から私達を見下ろす。月みたいに。〉 

彼女の顔が月明かりに照らされて、瞳が煌々と輝 いていた。 決してモデルにはなれないけど、本当に綺麗な横 顔だった。

ずっとフワフワと、存在を確信できぬまま存在し ていた天祐が、形として手の届きそうなところに ある

僕らの生きてる時代に。 何万分、何億分の確率ではあるが、チャンスが空 から降っていた。 そんな奇跡に酔いながら、あの頃の僕らは確かに 夢を描いてたんだ。 

何億人もいる人の中で、僕の半生をピックアップ してる。もうわかってると思うけど僕にも羽が生えた。 

長々と話すことじゃない。ある朝起きたら生えて た。痛みも痒みもなかった。内側からのエネルギ ーみたいなのも、身体中を電撃が走る事もなかった

眠りの浅い僕が起きなかったのが何よりの証 明だ。 羽は、ずっといたかのように、違和感もなく生えて いた。 もちろん彼女は驚いていた。

というか、彼女は僕 より先に気付いたらしい。それはそうだ。隣で寝て いる僕の服が裂け、抱きつく背中から何かが生え たら当然起きる。

むしろ、羽の圧で彼女に怪我がなかったことが奇跡だ。 

僕は文字通り飛び上がって喜んだ。神は抜かり無 い。練習なんかしないでも飛べた。どの筋肉を。と か、空気抵抗を。とか、理屈で説明はできない。

歩けるように、飛べるのだ。実は神に愛されてたんじ ゃないかと、調子に乗ったことも言ってみる。 

彼女も僕と同じように喜んだ。 飛べないけど、飛び上がって喜んでくれた。

乗せて月まで運んでくれと強請んだが、万一、落としてしまったことを考えると、到底叶えてはやれなかった。 

僕は役所まで飛んで、手続きを済ませた。 折角の羽を毟るのは気が引けたが、考えれば普 通に抜けまくってるし、別にどうでもいい。 

それからは、今までの人生忘れる程に素晴らしい 生活だった。 抱えていた劣等感は全て溶け、最新の家に彼女と住み、欲しいものはなんでも手に入れた。

毎晩空を飛び、雲の上で唄う。 時々天人とすれ違うが、皆幸せそうな顔をしている。 

飛んで、毟って、注射を打つ。 そんなサイクルを七年程過ごして、今に至る。 

天人は増えまくり、研究資料も膨大な数になって 来たにも関わらず、やはり原因がなんなのかは不 明なのだ。

そして不思議とこの七年、天人の数に反比例して 人間の数が減っていった。

一部の人類が突然進化したことにより需要と供 給のバランスが乱れ、世界経済は混乱に陥り、各 地で資源や利権を巡る戦争が勃発した。

戦争の影響による著しい環境汚染から未知の伝 染病が大流行し、その症状は死亡に至るリスクが高いことに加え生殖機能に重大な障害をもたらしたのだった

なのにも関わらず、病原菌に対する研究は為され てないに等しい。 各国は天人の謎を解くことを優先し、優秀な研究 者達の殆どが天人のために働かされたからである。
それも仕方のないように思える。 その未知の病原菌は、天人には全く感染しないの であった。 民衆は各々の思考回路から最終的に一つの結論 に行き着く。

神が我々人間を選別し始めたのだと。 

天人になってから、頭の中に声が聞こえる。 ずっと聞こえる訳じゃなくて、大切な選択をする ときとか、考え事をしてるときに導いてくれる。とても落ち着く声。

脳に直接語りかけて来るような、そんな威厳さえある声だった。

しかし、他の誰かと いうよりかは、僕自身の本能のような気がした。状況に関わらず、その声に従うと、必ず全てうまくいく。

羽を授かってから、僕は一度も失敗していない。 

だから僕はそれを利用する。 天人になって、金に困ることはなくなった。家も、 車も、アンドロイドも、全て手に入れた。

でもただ一つ。誰かの上に立つ優越感だけは、ど 

うしても味わえていない。 昔から喉から手が出るほど欲しかった"栄光"を、 今掴まずにいつ掴む。 

僕は事業を立ち上げた。 天人が誕生してから肩身の狭くなった航空業界 に乗り込む形で、空中道路を整備する会社を創ってみた。

実は既存の航空会社たちも、このビジネスをとっくの昔に試みてる。 しかし悲しくも、その試みのせいで航空業者達が世間からの反感を買ったと言っても過言ではないが。 

天人が絶対的な地位を確立する少し前、両翼型 旅客機と命知らずな天人との衝突事故が絶えなかった。

前例がないので善悪を裁けるだけの法律は整備 されていなかったし、旅客機で人を撥ねたという事実が会社のイメージダウンに繋がることは間 違いなく、

航空業界は怒り心頭で結託して訳のわ からない飛行生命体に対する空中飛行の法整備を進めた。 

その甲斐あってか、すぐに衝突事故は減少し安全 な空の旅を提供することが叶ったのであったが、

それも束の間、徐々に天人に対する世間の捉え方が変わり、司法は機能しなくなっていった。 

世間が天人を選別者と崇め始めると、次第に天 人達の中でも人間の作ったルールを尊重しようなんて考えは薄まっていく。

残念なことに現在の空の支配者たちは神の選別 から外れているからだ。

選ばれた僕らが選ばれなかった彼らのいうことを 聞くのは神の意志に反するという意見が、即ち世 論であった。

そしてやがて、再び天人は思うがままに空中旋回に出かけ旅客機にぶつかっては、天人様を傷付け た罪で航空会社が世界中から石を投げられるという構図が出来上がり、嘗ての空の支配者達は その支配権を少しずつ手放すことになっていったのだ。 

そしてそこで僕に声が聞こえた。 「空の支配者の席が空いたぞ」と。 

だから僕は会社を立ち上げた。 天人は、天人の言うことなら聞くのだ。 声のおかげでみるみる内に会社は大きくなり、部下は千人を超えた。

声は正しい。不正も、違法行為もせず、僕は栄光 を手に入れた。 他の天人達は働く必要がないからこんな面倒な 

ことはしない。 選別から外れた人間共には到底できない所業。 全ては生まれた瞬間から決まっていたのかもしれない。やはり僕は神に愛されていた。 

時間と実績と全能感が比例していく。 未だ嘗て、ここまで社会に貢献した天人はいない 。

今や僕は、天人でありながらも実業家であり資産 家であり、子供達の憧れるスターだ。

僕が忙しくなるにつれ、会社は名前だけを貸す形 で、賢い大学を出たやる気溢れる人間に任せた。 遊んでるだけでどこもかしこも、僕の話題で持ちきりだ。 

神に留まらず人間にも愛される僕は、声に従いな がら価値観もアップデートされていく。

するとどうにも、僕に群がる人間達をとても憐れ に思えてきた。君らがどう足掻いたって、僕のようにはなれない。

いくら努力しても、敵わないものに は敵わない。そんな努力無駄だよ。といいたくなる。 

成程、これが慈悲か。 遂に僕の念願は叶ったんだ。 慈悲なんてものはそもそも自分よりも下の者にしかかけない。
優れているから優しくなれるのだ。 僕はこの刻を以って、完全なる勝者になった。 

そもそも、この世界は運が大きく響きすぎる。一 つの選択で全てが動き、僅かなタイミングのずれ で、優劣がぐっと開く。

事実、嘗ての僕はどれだけ頑張ったって、収入は この一流企業で働く君らのきっかり半分だった。 何年も、何十年も。

でもある朝、ただ寝てた僕は人生が逆転した。僕 の汗と涙はなんだったんだ? まぁもうどうでもいい。

今、僕が勝ち組で、彼らが負け組だってことがわかれば、それだけで僕は満たされるんだから。

もちろん自覚してる。地位への固執は、強すぎる コンプレックスの裏返しだってね。 

事業で巨額の収益を得るようになったのだから、 もうあの下らない定期検診もいく必要がない。

人がいくら知恵を合わせても、僕らの存在を理解 するのは不可能だ。僕らは理の外にいる。天祐を 受けた、人智を超越した生命体だ。 

正直、僕は痺れを切らしていた。彼女にはいつ羽 が生えるのかと。 君はそこにいるべきじゃない。こっち側においでよと。

しかし何故か、僕に羽が生えたあたりから、天人 の増加はペースを落とした。

彼女は取り残されてしまったのか? 選ばれない側の存在なのか? 声は前から言っていた。"切り離せ"と。 僕が唯一抗い続けていた助言。 

そんな思いも一変する。権力と富が大きくなるほ ど、僕は声に逆らえなくなっていった。失うのが怖 い。
この現状を手放したくない。 守るものが多すぎた。 

その思いは瓦礫のように積もって、僕は彼女を捨てた。
そう、声に従って切り離したのだ。 声が僕に言い聞かす。彼女は取り残された存在 なんだ。

彼女は僕の足枷になる。 重りがあっては、高く美しく飛べなじゃないか。 もうどれが僕で、どれが声かの判別もつかない。

確かなのは彼女を手放した瞬間、僕の中にあった 、どこか温かい塊が溶けたということだけだ。 

それからの暮らしは絶好調だ。 足枷が消えた僕は永遠に飛んだ。海を越え、谷を縫う。
羽は疲れを知らなかった。 風になって、空を駆ける。 零れそうな星を眺め、幾千の奇跡を抱き締める。

夢と現実の区別がつかぬ程に、美しい世界を次々目にした。 

しかし一つ。声はどんどん大きくなって、僕の制御 を許さなくなっていた。

正確にいうと、僕が制御を放棄していた。抗うと、 従うまで念仏のように唱えられる。百歩譲って耳 元ならまだしも、脳内に直接となると、かなりきつい。

どこまでも飛べることの代償として、僕は自分と は何か?と考える時間が増えた。 声はそれすら許さず、僕に成功体験を与えていった。 

最底辺まで行ったら上がるしかないように、最高 潮に達したら落ちるしかない。 

月の綺麗な夜だった。彼女が死んだらしい。 知らせを受けた僕はただ呆然とする他なかった。 

前から聞いていた話があった。 何人かの天人たちの人間差別は徐々にエスカレ ートし、選別と称して人の命を弄んでいたと。

頭に血が昇って視界が歪む中、僕は怒りで震える 唇を血が出る程噛み締めた。 有り得ない。有り得てはいけない。 何故その必要があったのか。

僕らは選ばれた存在だ。 他者に危害を加えてはいけない。 

どこまでも特別で誇り高くあらねばならない。 人間を下に見る気持ちは僕にもあったかもしれ ない。
でもどうして彼女を選んだ? どうして誰よりも美しく生きた彼女は天に選ばれ ず、薄汚い天人に選ばれるのか。 

確かに僕は彼女を捨てたと言った。 ただ僕は別れた後も金銭的援助を続け、家を用 意し、何不自由させないよう彼女なりの幸せを願っていた。

だから厳密にいうなら僕は彼女を捨ててない。 棲み分けだ。 僕には僕の。彼女には彼女の幸せがある。 そうに違いなかった。

あの頃の僕はそうするしかなかった。 間違ってなかったと言い聞かす。 僕は何も間違っていない。 

仕方なかった。 僕らは時代の波に飲まれた被害者だ。 

しかし思考を巡らせれば巡らすほどに、現実はもっとシンプルであることに辿り着く。 

僕が側にいてあげたなら。 

渦巻く時代の濁流に飲まれた彼女をどうにかできたかもしれない。

天に選ばれなかった彼女に、大丈夫といってやれ たのは僕だけだったかもしれない。

僕にとって守るべきは、羽ではなく彼女だった。 

僕は久しぶりに僕の本当の声を聞いた途端に、涙 が頬を伝う感触に気付いた。
怒り、悲しみ。
曇りのない人間的な感情であった。 そして、彼女を無惨にも痛めつけた奴らと同じも のが背中に付いていることに、胸を抉られるのような不快感と、憎悪が溢れ出てくる。

しかし不思議と唯一つ、愛おしかった人の為に唇 から血を、目から涙を流す自分に安堵している自 分もいた。 

それから暫く、女々しくも僕は家に篭った。 全てを手に入れて尚、何より大切なものに気付かないまま失った愚かさを誰かのせいにするしかなく、かといって何かにぶつけることもできず、ただ苦しみの理由を分解して消化する作業を続けた。 

そして自ら手放したくせに消失感に駆られている自分を俯瞰して嘲笑できる程に冷静になれた頃、 僕はある決心に辿り着いた。 彼女を迎えに行こう。

そしてなんらかの方法で羽を手放し、人間として貧困街でただ二人、月を眺めたあの頃に戻りたい 。 

そう思うが否や僕は窓から飛び出して、天に向かって飛んだ。 

重力に抗い地から垂直に、それはまるで、天へと 吸い込まれるような、堕ちていくような感覚だった。 

天に向かって飛んだ。ただ昇る。上に。上に。 雲を越え、月があり得ないほど大きく見えたとこ ろで、異様な光景を目にした。

空を埋め尽くすような数の羽人間が頭を抑え、体 を丸めていた。 それは、何かを懺悔してるようにも、何者かに祈ってるようにも見えた。

ここから振り落とされぬと土下座のような姿勢に なる者、諦めて脱力している者、それでもまだ上昇しようと羽を動かし踠く者。

老若男女がそれぞれの方法で身体を屈折させている。

数多の羽人間たちが、この高度以上に行くことを 許されず、何かに怯えるように頭を抱えていると 言う異常な光景が目の前に広がっていた。 

刹那、僕にも異変が訪れた。言葉にはできない痛 みが全身を襲う。特に頭部。目。耳。脳があり得な いほど痛む。何かがガンガンと響くような痛みだ。

皮肉にも羽は痛まない。 それでも僕は痛みを超えて飛んだ。 僕に感化された何人かも飛んだ。恐らく、僕含め 誰一人として正気を保ててはいない。 

天に近づく程、脳は揺れる。殴るように。近づくな 。というように。
気付けば周りには誰もいない。 酸素濃度がどんどん薄くなって、呼吸が浅くなっ ていく感覚がわかる。

相変わらず頭部は割れるほどの痛みに襲われ続 け、気圧で目が飛び出そうだった。 痛み、苦しみ、疲労。 

この短期間で、二度目の涙がでた。 でも僕はすぐさまそれを拭い、涙を止める努力をする。
彼女の方が何倍も辛かったはずだ。 唯一の理解者であった僕に羽が生えて以来、きっ と僕には理解することのできない焦りや劣等感が あっただろう。

変わっていく僕に何も物言えない無力感もあった だろう。 僕から捨てられた消失感に一人ぼっちの孤独感。 全て僕のせいだ。 

頭部への痛みは高度を上げる程に強まる。 鼓膜を破壊するような、爆音を浴びせられてるような、脳の内側で何かが叫んでいるような痛みだった。

パニックになりながら、僕は自我を保つために痛みに負けじと叫んだ。 

「うるさい!」 

"五月蝿い"
痛い。ではなく、うるさい。 咄嗟に出た言葉に、自分自身でハッとする。 僕は痛みの正体に気付いた。 耳元ではなく、脳に直接響く音。 

「声」だ。 

その認識を得ると共に、僕は痛みに耐えることをやめ、全能の声を聞くために耳を澄ます。 きっと声は何かを僕に伝えたがっている。

聞き取らねば。 だけど、絶対に僕はそれに従わない。 声のせいで、彼女を失ったのだ。

僕はただの一度も離れたいと思ったことはない。 なのに、この忌々しい声のせいで、僕は離さざるを得なくなりその結果が今の体たらくではないか。

聞き取れ。 聞き取って、その逆を行くんだ。 声は恐らく、僕が"天"に到着するのを阻止するは ずだ。 下で蹲っていた彼らも、声に魘されていたのだろう。

声に洗脳され、自我と恐怖の狭間で苦悩していたのだろう。
僕はもう思い通りには動かない。 

息を止め、目を瞑った。 頭の中で反響し輪郭の一つもなかった轟音が止み、永遠に感じる一瞬の間を置いたあとはっきり声から発せられる言葉を読み取った。

"そっちじゃない" 

僕は深く息を吸って、全てを悟った。 いつから僕が天に行けると信じていたんだろう。 理の外側には、「天祐」より大きなものがあるじゃないか。 

まだ解ってなかったのか。 

確かに、恐らく人類の突然変異は選別であった。 "天"が面白半分で創った現世において、人類は行くところまで行き、この何百年は停滞の一途を辿 っていた。

これに天は飽々とし、悪戯に混乱を巻き起こしたのだ。 

選別者はきっと次なる世界における、第一期人類 だったのだろう。

そして天人は天人を生み、新たなる命たちは車や 、寺院、教会などを謎の文明として扱うのだ。 僕らがピラミッドや、アトランティスを理解し得な いように。 

羽という進化を享受するということ。

それは文明を行き着かせた人そのものをリセットするということだった。 適当に力を与え、自分を特別と思い込ませ、少し ずつ人を破壊する。 

まさに虎の威を借る狐。 威光を笠に着る様は、大変に力強く、醜かっただろう。
天に近付く程、僕は堕落していたんだ。 

僕は飛ぶのを辞めた。 全身の力を抜いて一点を見つめる。 一点というには大きすぎる、君が大好きだった月を眺める。

月が段々小さくなっていくのを確認し、もう一度 静かに目を閉じる。

 

ああ。声は最後まで正しい。

たしか、月は僕を見下ろしていた。 

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